天秤の最終進化系・電子天秤!工業にも・研究の現場でも|中古販売
「ものの質量を正確に・迅速に量れる機材が欲しいな…」
「そういう『ものの質量を量る道具』について詳しく知りたいな…」
とお思いのみなさん、こんにちは!
メジャー社員のIです!
今回は、「電子天秤」についてブログを書いていきます!
前半では「ものの質量を量る道具」についてその歴史をひもといていき、
後半では電子天秤は「こんなところに使われている!」という例を解説していこうと思います。
目次
- 1、天秤の歴史と「進化」
- 2、電子天秤はこんなところで使われています!
- 3、まとめ
1.天秤の歴史と「進化」
(1)紀元前からあった天秤
天秤の歴史はとても古く、紀元前のエジプトにまでさかのぼります。
古代エジプトでは、人は死んだ後「死後の世界で楽園に行くにはどうすればよいか」
という書物を残しました。
そして死後、楽園にいけるかどうかの審判で、
死んだ者の心臓と古代エジプトの女神が頭にさしている羽を天秤で測り、
心臓が羽より軽いと楽園に行けるとのことでした。
もしも死者の心臓が羽より重い場合は、それは心臓に現世で犯した罪がつまっているということで、
鼻が長い怪獣に食べられてしまい、永遠に次の世界で復活ができなくなってしまうということでした…
恐ろしいですね…
(2)上皿天秤の登場
さて、いわゆる昔からの天秤は、1本の棒の中心を支点として、
棒の両側からぶらさげた皿の一方に測定したいものを、
もう片方に分銅を置いて測定するしくみになっていました。
しかし、この天秤には、皿をぶらさげているひもが絡むことや、
皿が静止するまで時間がかかるといった欠点がありました。
そこで、1669年にフランスの数学者ロベルバルはそれを解決するために、
皿を下から支える上皿天秤を発明しました。
この上皿天秤は、現在でも小学校の理科の授業で、
おなじみの実験用具ですね。
この上皿天秤には、他にもメリットとして、
測定物を皿のどの箇所に置いても、
重さを正しく測れるという点があります。
(3)直示天秤の登場
これまでの天秤は、一方に測定物を載せ、反対側に分銅をピンセットで載せ、
質量を測っていました。
その分銅を載せる作業って、
正直、面倒ですよね…。
そこで、その面倒な作業を短縮するために、
分銅を載せる代わりにつまみを切り替えることで
測定物の質量を量る直示天秤が発明されました。
1945年にエアハルト・メトラーにより発表され、
日本では1948年に島津製作所がこの機材を発表しました。
直示天秤により、今までかかっていた測定時間が3分の1以下に減りました。
それは当時の直示天秤のキャッチコピー「測定時間はわずか1分以内」にも表れています。
(4)電子天秤の誕生
さて、いよいよ「電子天秤」の登場です。
直示天秤は便利な機材でしたが、
それでもやはり量る際には機械操作をする手間が必要でした。
しかし、1971年、手間いらずで「ただ載せるだけ」で量れる天秤が製品化されたのです。
そう、それが「電子天秤」です。
天秤は従来の天秤から、上皿天秤、直示天秤と進化してきましたが、
電子天秤は、天秤の言わば「最終進化系」なのです。
今では「物の重さなんてあっという間に測れて当たり前!」ですが、
この「当たり前」になったのは意外とここ最近のことなんですね…。
開発当初の機器は、トランジスターなどの電気回路を使っていましたが、
1978年にマイコンチップをはめた電子天秤が発売され、
さらに迅速な測定が可能になり、機材の小型化、低価化が進みました。
現在の電子天秤も進化はまだまだ止まらず、測定の精度を高めることや、
測定スピードの短縮化などの製品の改善は
各企業で行われています。
また、近年の電子天秤は、
正確に、かつ早く測定できることに加え、
自動校正機能がついていたり、時計機能が内蔵されていたり、簡単にパソコンに接続が可能になったりするなど、さまざまな便利な機能が付属しているものが多いです。
2.電子天秤はこんなところで使われています!
(1)食品業界
近年、食品は「安全であること」が当たり前になっており、流通経路が全て明らかであること(トレーサビリティ)が、
重要になっています。食品の分析をする際に、質量を測定することは欠かせません。
具体的には、以下の用途に使われています。
- ・原材料の重量を量る
- ・出荷する際に、内容量を正しく知る
- ・製品の水分率を知る
- ・添加物の含有量を量る
- ・原材料を調合する
(2)化学・環境分析の業界
化学産業・鉄鋼業や質屋などでも電子天秤は大活躍です。
具体的に挙げてもこれだけの用途に使われています。
- ・樹脂ペレット・ゴム
- ・染料・顔料・インク
- ・フィルター付着物
- ・触媒生産時
- ・塗装が終わった鉄板
- ・鉄鋼原料
- ・削りだした金属
- ・レアメタル
- ・金属材料の摩耗量
- ・貴金属・地金の買取
(3)医薬・化粧品業界
医薬品や化粧品業界でも、電子天秤での計測は欠かせません。
特に医薬品では、人の体、健康、ひいては命に関わることなので、
データにミスは許されず、完全であること(データインテグリティ)が求められます。
(4)自動車・電機業界
自動車・電機業界でも、電子天秤は使用されています。
具体的には
- ・排ガスの付着量の測定(セラミック部品やフィルターなどに)
- ・電解液注入量の測定(リチウムイオン電池を作る際に)
- ・シート素材の水分率の測定
- ・機械部品にコンタミネーション(異物混入や汚染)がないか
などがあります。
(5)大学などの研究施設
第2次産業だけならず、大学などの教育・研究施設でも電子天秤は使われています。
医学部や理学部などで、原理・基礎の講義をする際や、
学生の実習・実験など幅広く使われています。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の内容をまとめますと、
- ・物を量る天秤の歴史はとても古いが、すぐに・手間なく量れるようになったのはここ50年くらいのこと。
- ・近年の電子天秤は正確に、迅速に量れることに加え、自動校正機能・時計機能・PCに接続できる機能などがついているタイプもある。
- ・電子天秤は化学・鉄鋼・自動車などの工業分野から研究現場まで、幅広く使われている。
このブログを読んで、少しでも電子天秤に興味を持たれた方は、こちらの電子天秤一覧ページをご覧ください。
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