ホモジナイザー
混ざり合いにくいものも混ぜ合わせる装置液体の中には、見た目は溶け込んで混ざったように見えても、別々の物質が混ざり合わず漂うことがあります。物質には特性があって、水には溶け込まないものが存在しており、これをコロイド分散体と呼びます。永続的なもので、水よりも比重の重いものは下に沈み、軽いものは上に浮かび分離します。また、沈殿も起きます。これらを均一にして偏らせず、濃度も一定にできるのがホモジナイザーです。粒子を小さな状態に作り替えながらも一定の形状にできる装置で、水に溶けずに浮遊していても液体の中に溶け込ませ、分離を防ぎます。粒子をできるだけ小さな状態に砕きかき混ぜることで、液体としても乳化の状態になり安定します。細かくして分離を防ぐことによって結果として水に溶け込み、沈殿も防止するのが大きなメリットで、本来混ざらないものも溶け込ませられます。乳化させることはさまざまなものに有効で、食品をはじめ工業製品にも使われてきました。化粧品は代表的で、乳液化した製品を作るためにこの装置を使っています。水と油は分離しやすい性質ですが、油分を砕きコロイド溶液を作るためにホモジナイザーが使われています。 原理は至って簡単で、かき混ぜながら粒子を砕き、粒子の大きさを均一にします。そうして混ざりやすくなったものをさらに機械を使用して水分と混ぜるというものです。かき混ぜ方には複数の手法がありますが、基本原理はどれも変わりません。そして、まさにこの違いがホモジナイザーの使い方につながっているのです。 |
ホモジナイザー中古計測機器一覧
※オプション機材につきましては、「在庫お問合せ」よりお問合せくたさい。
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いろいろと作られた破砕方法による違い高圧式は液体に圧力をかけ、微細な有り様になるまでに破砕します。液体に圧力をかけた状態で低速にてバルブの中に流し込むと、狭い空間に押し込まれ圧縮されます。圧縮した状態で広い空間に飛び出すと、今度は加速して、先にあるインパクトリングと呼ばれている部品にぶつけて粒子を破砕するのがこの方式の仕組みです。2度にわたる破砕が特徴で、高圧式の工程でできるバブルは形状を均一化するため、均質バルブと呼ばれています。超音波式は、破砕する方法に超音波振動を使っています。液体に振動を与えて真空の泡を大量に作り上げるところから工程がスタートします。この泡がはじけるときに衝撃を生み出しますが、衝撃が粒子にあたり破砕していく方法です。このことをキャビテーションといいます。液体が大量の場合には向かない性質を持っていましたが、近年では改良が進んだことで大量の液体も処理できるように進化しています。 原理として分かりやすい物理的なやり方を使って破砕していくのが、超高速ホモジナイザーです。回転する刃によって破砕する構造で、ポリトロンホモジナイザーとも呼ばれます。刃は外刃と内刃の二つあり、そのうちの内刃を高速回転させて、外側の刃に取り付けられている穴から液体を圧力をかけて噴射して、対流も引き起こします。内部の刃にも砕かれますが、細分化した粒子はさらに外刃と内刃の間に入ってつぶされ同じような大きさになるのが特徴です。このときに、高周波も生まれて作用するため、かなり効果的な方法です。 粒子の砕き方はさまざまですが、それぞれ特徴があります。多く使用されているのは高圧式であるものの、どの方法も使用する目的によっては向き不向きがあるため、使い方などに合わせて選択する必要があります。 乳化した状態を長期安定化させるホモジナイザーは用途別にも分けられますが、明確に何かに使うといったほどの区分はされていません。それでも、特徴を考慮して、目的に合う使い方を考える必要があります。蒸気の力を使っているアセプティック方式は、雑菌の侵入を防止できる方法です。無菌状態に保てるため、人が口にする食品や医薬品に適しています。限られた液体量で破砕を行う場合には、ラボスケール方式が向いています。大量の水量を相手にはできませんが、少量破砕が可能なため、研究室などで多く使われる方法です。 ホモジナイザーは、食品分野や飲料水の分野でも活用されています。混ざりにくいものはいろいろありますが、代表的なのがドレッシングに使われる油と水です。また、マヨネーズも混ざらない酢と油を使っています。卵黄がこれらを乳化させる手助けをしていますが、通常であればそのうち分離してしまいます。しかし、ホモジナイザーを使うと長期間分離せず安定したマヨネーズを作り上げることが可能となります。飲み物としても、ココアはカカオ成分が沈殿しやすく安定しません。ホモジナイザーで破砕してから徹底的にかき混ぜられているため、同じ濃さに保てています。 多くの分野で利用が進められているのは、均一に混合したい液体が存在するためです。乳化させて安定させるのには、ホモジナイザーが欠かせません。液体同士で混ぜ合わすのとは違い、個体粒子も破砕できて、高粘度のものにも対応できるタイプも存在します。多くの物質に対応できることから、さまざまなものを混ぜ合わせた液体を生産する場合に、必要不可欠な機材です。 |
ホモジナイザーの計測機器で利用されている用途
利用された機材 | 用途 |
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超音波ホモジナイザー UD-200 | 試料の乳化・分散購入のための検討 |